応答スペクトルの減衰値の違いで、加速度応答の大小関係が逆転する現象

加速度応答スペクトル図

良く見かける基盤波の加速度応答スペクトルの図です。詳しく見ると、周期0.15秒の加速度応答が、減衰1%と3%で値の大小関係が逆転しています。

一般に入力が同じなら構造物の減衰が1%と3%とでは、1%の方が応答は大きくなります。

しかし、上記の様なスペクトルの特徴を持つ基盤波を入力とした場合、構造物の卓越周期が0.15秒ならば、減衰が3%の方が1%の場合より応答が大きくなることがあります。

構造物の応答は全てのモードの重ね合せであるため、周期0.15秒のモードだけで応答が決まることはありませんが、鉄塔の様に単純な構造物の上下動解析では、1次モードだけが励起されることもあり、この周期が上記の入力の0.15秒に合致してしまった場合は減衰3%の方が応答が大きくなるという不思議な現象が起こります。

長く振動解析をしていますが、過去にこの様な現象に一度だけ出くわしたことがあります。

※上記の地震波は以下のサイトからダウンロードしたものを少々編集したものです。
https://www.bcj.or.jp/download/wave/

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